バレエダンサーに多い悩み
バレエの特徴として頭の天辺から吊られている状態で
全身を上に引き上げるような基本姿勢・・・
これがスポーツなどと大きく異なるポイントであり、プロになればなる程、
この姿勢が徹底され、その結果脊柱の生理的彎曲が消し、
脊柱の大きな役割の1つであるスプリング機能が弱まり、
頸部・腰部などの脊柱に関わる疾病の発生率が非常に高くなります。
また立ち方にも特徴である、アンディオールがあり、
人体の生理的な可動範囲を超えた状態であるこの立ち方をベースにし、
1番~6番の足のポジションに加え、ルルベ・プリエなどの動作を同時に行ったり、
ジャンプや、回転を行いますので、下肢にも非常に大きな負担がかかり、
当然の様に下肢の関節障害が多発し、様々な訴えが出てきます。
したがって下肢に関しては、ありとあらゆる外傷や障害が発生します。
バレエダンサーが多く来院する当院にて確認した下肢疾病だけでも・・・
外反母趾・足底筋膜炎・有痛性外脛骨・踵骨骨棘・アキレス腱炎・
アキレス腱滑液包炎・距踵関節インピンジメント損傷・長母趾伸筋腱炎・
短腓骨筋腱炎・腓骨疲労骨折・中足骨疲労骨折・シンスプリント・
膝蓋靱帯炎(ジャンパーズニー)・腸脛靱帯炎(ランナーズニー)・
膝蓋骨高位症・動揺関節(ルーズジョイント)・反張膝・鵞足炎・
関節水腫・変形性関節症・・・
などに加え、骨折・打撲・捻挫挫傷などの外傷症例を多く確認し、
あげればキリがない程の症例があります。
また姿勢や技術以外の特徴として、筋肉をつけすぎる事で体のパーツが太くなると、
ダンサーとしての価値が下がってしまうケースがしばしばあります。
したがって跳躍や難解な姿勢においてのキープを行わなければならない、
バレエにとって、筋力は必要不可欠ですが、綺麗な体を保つことはもっと重要です。
激しい運動を繰り返すが、筋肉を肥大してはいけなく、
それに耐えうる体を作らなければならないという矛盾が、
故障の引き金になり易い要素をはらんでいると考えられます。
そしてバレエダンサーの場合、外傷・障害が発生した場合に治療家として、
とても困った事があります。
それは“固定が出来ない”ことです。
治療業界では痛みの発生に対して基本は固定ですが、
可動域の全てを使用して踊るバレエでは、
少しでも可動域を下げてしまう固定は価値が無いですよね。
バレエダンサーの場合、たとえ痛くても固定を外してしまうケースが殆どです。
そこで当院は固定を最小限に抑えて、故障を治していくには何が必要か??
日々研究を進めつつ施術にあたっています。
多くのバレエダンサーのご要望を伺い、当院オリジナルのセルフケアや、
関節の動きの邪魔にならないテーピングなど多くの提案をしております。