背中の痛み
背中が痛いという中でも、大きくいくつかに分類されます。
◆ 背中の筋肉(起立筋・多裂筋など)による痛み
◆ 背中の関節(椎間関節・胸肋関節)による痛み
◆ 肩甲骨の動きが悪い事で起きる痛み
◆ 筋膜性の痛み
◆ 肋間神経による痛み
◆ 内臓からの関連痛
骨折や、脊椎の疾患、基礎疾病などが無い場合、多くの背中の痛みは上記のどこかに分類されます。
最近では「ぎっくり背中」というお話を伺うこともあります。
背中の筋肉による痛み
人間の直立姿勢を支えるため、背中にはたくさんの筋肉があります。
背中の筋肉による痛みで、多くの原因になるのは「筋スパズム」です。
筋スパズムとは・・痛みなどに起因する局所的で持続的な筋緊張の亢進状態 です。
どういう状態かといいますと、筋肉は “伸び縮み” を必要に応じて行います。
力こぶ💪を作る時、筋肉は収縮しています。
ストレッチしている時、筋肉は伸張しています。
何もせず床に寝ていると、多くの筋肉は弛緩(ゆるむ)状態になります。
しかし上記の「筋緊張の亢進状態」とは筋肉が収縮し続けている状態です。
この場合は、緊張が続いている筋肉を緩めていく必要があります。
背中の関節による痛み
背骨は骨が連なってできています。スムーズに動くために椎間関節という関節があります。
椎間関節の周りには関節包があり、関節包は神経終末が多いため痛みを感じます。
背骨はそれぞれの骨の形から、可動域がそれぞれ異なります。例えば、胸椎は回旋が得意ですが、腰椎は回旋は苦手です。
苦手な運動を繰り返し行うと、骨同士がぶつかり合い関節内で炎症が起きることがあります。
すると関節包が炎症をキャッチして、脳に伝えることで痛みとして認識します。
肩甲骨の動きが悪い事で起きる痛み
肩甲骨は背中や腕と連動して動きます。
上記の図のように肩甲骨が外にある状態が続くと、肩甲骨の内側にある筋肉は引っ張られた状態になります。
日々の姿勢が悪いまま一日中パソコン作業や同じ姿勢を続けることで、肩甲骨周りの筋肉が固まり痛みが出ている場合もあります。
「姿勢を良い位置にしている方が体がつらい」という方は、肩甲骨の動きが悪くなったいることが考えられます。
筋膜性の痛み
筋膜とは、筋肉を覆う膜。です。
広く全身の筋肉を覆い全身を繋げている筋膜と、細かい筋肉同士の境目となる筋膜があります。
筋肉と筋膜の間にはコラーゲン繊維が多く含まれているため、滑走することができます。
通常、筋膜はスムーズな動きをします。
しかし運動不足や長時間の同じ姿勢、回復不足などにより、毛細血管の血流が悪くなり筋膜がスムーズに動かなくなります。
そうするとツッパリ感やこわばり・コリを伴う痛みとして症状が出ることがあります。
肋間神経による痛み
肋骨の間には肋間神経という神経が通ります。
何らかの原因で肋間神経による脇腹や背中の痛みが起きることがあります。
原因は帯状疱疹や胸郭内での病変、腫瘍による場合もありますが、筋肉のコリや骨のズレによって肋間神経の圧迫が起きて痛みがでている場合もあります。
ピリピリした痛みや激痛の場合、まずは病院を受診ください。
内臓からの関連痛
背中が痛い際、中には内臓からの関連痛の場合があります。
安静時にも痛みが強い場合、発熱を伴う場合や、急な激痛、基礎疾病をお持ちの場合には一度病院の受診をお勧めします。